ESGリースとは?中小企業が始める設備投資の新しい選択肢

近年、脱炭素や環境配慮の取り組みは、大企業だけでなく中小企業にも求められるようになっています。
一見、負担が大きい取り組みに感じられますが、新たな製品やサービスを生み出すような大がかりな取り組みでなくても、今の事業の中でできることから始めることが可能です。
そうした“無理なく始める脱炭素”を後押しする手段として、いま注目されているのが「ESGリース」です。今回はその仕組みと導入メリット、そして現場でどのように効果を実感できるのかをご紹介します。

ESGリースとは

ESGリースは、リース料の低減を通じて脱炭素機器の普及を促進し、地球環境の保全に寄与することを目的とした制度で、申請期限は令和8年3月5日までとなっています。
環境省が指定する「脱炭素化に資する設備」をリースで導入した場合、当初契約期間の総リース料(消費税および再リース料を除く)に対して、6%以内の補助金が指定リース事業者に交付されます。

この「指定リース事業者」とは、環境省が本制度の要件を満たすと認定したリース会社であり、補助金の申請や交付を代行する役割を担っています。企業はこの指定事業者を通じてESGリースを利用する仕組みです。

補助率は、導入機器やリース会社およびリース先企業のESG・脱炭素に関する取り組み内容に応じて異なります。4%以内の機器ごとの補助率に加えて、特に優良な取り組みでは1%、極めて先進的な取り組みでは2%が上乗せされます。対象となる設備は、高効率空調機器、工業炉、業務用冷凍冷蔵庫、分析機器など多岐にわたります。

制度の対象は中小企業および個人事業主で、政府機関や地方公共団体は除外されます。
リース契約期間は年度ごとに定められており、環境省の定める期間内に契約・導入が完了することが条件です。

申請はリース会社が行うため、利用者の負担は最小限。リース会社と連携することで、補助金を活用した導入がスムーズに進められます。

ESGリース導入で得られる設備投資メリット

ESGリースを活用することで、次のような実務的かつ経営上のメリットが得られます。

  • 初期投資費用が不要
    購入資金を一度に用意する必要がないため、手元資金を温存しながら最新の脱炭素設備を導入できます。
  • 低コストでの導入が可能
    補助金によってリース料が軽減されるため、同じ設備をより低コストで利用できます。また、リース契約は固定料率のため、金利変動のリスクも抑えられます。
  • 申請負担の軽減と運用のしやすさ
    補助金申請はリース会社が代行するため、事務手続きにかかる時間やコストを削減できます。
  • 企業価値・信頼性の向上
    ESGリースで導入した設備は、単に省エネ効果をもたらすだけでなく、自社のESG経営を示す具体的な取り組みとして活用できます。
    たとえば、自社のウェブサイトなどで導入事例を紹介したり、省エネ効果やCO₂削減量を開示したりすることで、環境意識の高い企業として社外への信頼を高めることができます。こうした「見える化」は、取引先や顧客との関係強化にもつながります。

さらに、他の税制優遇制度と組み合わせることで、より大きな経済的メリットを得られる可能性もあります。

現場で実感できる効果

ESGリースの導入効果をご紹介します。

  • 経費削減が数字で見える
    冷凍冷蔵設備や冷媒用コンデンシングユニットを更新した店舗や工場では、省エネ効果によって電気代の低下が明確に表れます。高効率機器によるエネルギー使用量の削減は、経営数値としても確認しやすい成果です。特に鮮魚加工場など、冷凍機をはじめとする温度管理設備の電力消費が50〜80%を占めるような生産施設では、大きな経費削減効果を得ることが可能です。
  • 業務効率の向上と生産性アップ
    製造業では、高効率切削加工機や分析装置の導入により、生産精度や稼働効率が向上。省エネと同時に、生産性向上効果も期待できます。
  • 脱炭素の取り組みとしての発信効果
    ESGリースの活用と併せて、設備更新によって実現したCO₂削減効果など具体的な成果を情報発信することもできます。但し、エネルギー使用量やCO2排出量の増減という具体的な成果を開示することが重要です。エネルギー使用量やCO2排出量について開示が行う企業は限定的です。一方、脱炭素の取り組みが進む大企業では、サステナビリティ経営を進める中で、サプライチェーンの企業に対するCO2排出量削減の後押しに課題を感じている企業も少なくありません。このような企業が既存の取引先であれば取引拡充が狙えるかもしれません。そうでなくとも、新たな取引機会につながる可能性も秘めています。

このようにESGリースは、中小企業でも無理なく取り組めるサステナブル経営の選択肢だといえます。既存事業の中で実施する設備投資であっても、これからの信頼と競争力を支える力になります。

りそなグループでは、ESGリースに関するご相談を承っています。また、環境省のESGリース指定リース事業者である「りそなリース」を活用することも可能です。導入をご検討の際は、ぜひご相談ください。

りそなBiz Actionではこれらの資料もご用意しております。ぜひご活用ください。

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2025年12月19日時点の内容となります。
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