企業経営では、急な資金需要や将来の設備投資などに備え、一定の手元資金を確保しておくことが欠かせません。一方で、当面使う予定のない余剰資金を普通預金などで保有したままにしている企業も多いのではないでしょうか。
近年は金利環境にも変化が見られ、余剰資金を「眠らせる」のではなく、有効に活用する方法として資産運用に関心を持つ法人も増えています。適切に運用できれば、資産効率の向上や収益機会の拡大につながる可能性があります。
ただし、運用にはリスクも伴います。今回は、法人が知っておきたい資産運用の基本的な考え方や、代表的な運用商品・投資対象の特徴についてご紹介します。
余剰資金を運用する前に知っておきたい基本的な考え方
資産運用を始める際は、「何に投資するか」だけではなく、「どのくらいの資金を運用に回せるか」を考えることが重要です。
資産運用にはさまざまな投資対象がある
法人が活用できる投資対象には、株式、債券、コモディティ(金など)、REIT(不動産投資信託)などがあります。それぞれ期待できるリターンやリスク、換金性などの特徴が異なるため、自社の運用目的や資金計画に応じて選ぶことが大切です。
また、株式や債券などへ投資する方法の一つに、投資信託があります。複数の銘柄や資産へ分散投資できる商品も多く、運用目的やリスク許容度に応じて選ぶことが重要です。
運用ではリスクと資金計画を考えることが大切
多くの運用商品は市場価格が変動するため、元本保証ではありません。「どこまで運用に回せる資金なのか」「必要になったときに現金化できるか」をあらかじめ整理しておくことが重要です。
例えば、数カ月以内に設備投資や賞与の支払いなどを予定している資金まで運用に回してしまうと、資金繰りへ影響する可能性があります。短期間で使う予定の資金と、中長期的に活用できる余剰資金を分けて考えることで、無理のない資産運用につながります。
代表的な運用商品・投資対象の特徴を知ろう
資産運用では、何に投資するかによって期待できるリターンやリスクが異なります。それぞれの特徴を理解し、自社の運用目的に合った投資対象を選びましょう。
投資対象として代表的なものをご紹介いたします。
株式
株式は企業へ投資する金融商品です。株価の値上がりによる売却益や、企業によっては配当金が期待できます。
景気や企業業績などの影響を受けやすく、価格変動が比較的大きいことが特徴です。
長期的な目線で運用し、比較的大きなリターンを得たい場合に選択肢となる投資対象といえるでしょう。
株式へ投資する方法には、個別銘柄を購入するほか、株式型の投資信託を活用する方法もあります。
債券
債券は、国や企業などへ資金を貸し付けるイメージの金融商品です。利息収入が期待でき、一般的には株式より価格変動が小さい傾向があります。
元本割れのリスクを抑え(満期保有の場合)つつ、金利で安定した継続収入を得たい場合の選択肢になります。
個別の債券を保有する方法に加え、複数の債券へ分散投資する債券型の投資信託を利用する方法もあります。
コモディティ(金など)
コモディティとは、金や原油などの実物資産へ投資することです。
特に金は、景気後退やインフレへの備えとして活用されることがあります。また、株式や債券とは異なる値動きをする傾向があるため、資産全体のリスク分散を目的として組み入れられるケースもあります。
REIT(不動産投資信託)
REITは、不動産へ間接的に投資する商品です。比較的少額から投資でき、分配金が期待できますが、不動産なので市場価格は上下に変動します。
債券よりも高い継続的な収益と、投資対象自体の値上がりによる収益の両方を狙いたい場合に、選択肢の一つとなります。
運用では「ポートフォリオ」を考えることが重要
運用成果を安定させるためには、投資対象をどのように組み合わせるかも重要です。
複数の投資対象を組み合わせる「分散投資」
運用資産をどのような割合で組み合わせるかを「ポートフォリオ」といいます。
株式だけに資金を集中させるよりも、債券やREIT、コモディティなど値動きの異なる投資対象を組み合わせることで、一つの市場環境の変化による影響を抑えられる可能性があります。
今後の資金計画やリスク許容度に応じて、自社に適したポートフォリオを考えることが重要です。
法人の資産運用は専門家への相談も有効
余剰資金の規模や資金計画は企業によって異なるため、最適な投資対象やポートフォリオも一律ではありません。
運用方法や商品の選び方に迷った場合は、金融機関へ相談することも有効です。自社の経営状況や資金計画に合わせた提案を受けることで、より納得感のある資産運用につながるでしょう。
自社に合った資産運用を検討しよう
余剰資金を適切に活用することは、企業の資産を有効活用する方法の一つです。投資対象にはそれぞれ特徴やリスクがあるため、違いを理解した上で、自社の目的や資金計画に合った方法を選ぶことが大切です。
また、一つの投資対象だけに資金を集中させるのではなく、ポートフォリオを意識した分散投資を取り入れることで、リスクを抑えながら運用しやすくなります。
自社だけで判断が難しい場合は、銀行へ相談し、事業計画や資金繰りを踏まえたアドバイスを受けながら、自社に合った資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。
りそなBiz Actionではこれらの資料もご用意しております。ぜひご活用ください。

