あなたの職場は安全ですか?事故を未然に防ぐ2つのキーワード

ものづくり大国とも呼ばれる日本において、製造業は重要な基幹産業の一つです。長年日本経済を牽引している製造業の現場では、競争力を保つためにさまざまな仕組みや考え方が取り入れられています。その中から安全対策の重要なポイントをご紹介します。

安全対策は「人間はミスをする」前提で考える

製造業などでは「ご安全に!」という挨拶が取り入れられるほど、安全が何よりも優先されます。安全が損なわれた際には人的損害・物的損害・生産損失など、大きなコストもかかりますし、法律でも管理者の従業員に対する安全配慮義務が定められています。では、安全を担保するには何が必要でしょうか。

「フールプルーフ」と「フェイルセーフ」

人が関わる作業では、どんなに対策を行ってもヒューマンエラーをゼロにすることは難しいでしょう。そこから生まれたのが「フールプルーフ」と「フェイルセーフ」いう考え方。「人間はミスをするもの」という前提で設計する安全対策です。

フールプルーフ

「人がミスをしようとしてもできないようにする」仕組みが、フールプルーフです。

例えば、洗濯機は蓋を開けたままでは作動しない設計にすることにより、「蓋の閉め忘れという人的ミス」による、「漏水という失敗」を防ぐというわけです。

同じ意味を持つ日本発祥の言葉に「ポカヨケ」があります。1960年代から使われている言葉で「うっかり(ポカ)ミスを避け(ヨケ)る」という意味があり、安全確保や労災防止として海外にまで広まりました。こちらの方が耳馴染みがあるかもしれません。

フェイルセーフ

フールプルーフに対して「フェイルセーフ」は、「たとえ人が失敗しても安全を守る」仕組みのことです。
例えば、コンベアで繋がった複数の機械がある工場で、1か所で緊急停止装置が押されると他の機械も停止するという設計になっている場合もあるでしょう。これは人的ミスあるいは故障等によるトラブルを最小限に抑え、安全確保するというフェイルセーフの考え方に当たります。

オフィスでも使える安全設計手法

フールプルーフとフェイルセーフの考え方はオフィスでも役立てられます。
ミスがあった際に「人に対策」を求めるのではなく、「環境や仕組み・方法」などの改善によってミスを減らすことを考えてみましょう。

安全設計の際には、以下のステップを参考にしてみてください。

  1. 業務プロセスを可視化
  2. ヒューマンエラーが起こりやすい工程を特定(フールプルーフの考えで避けたい事象を明確にする)
  3. 解決策の検討(フェイルセーフの考えでミスがあっても安全な仕組みにする)
  4. 解決策をテストする

安全設計思想は、どのような職場環境にあっても取り入れることができます。また、可能な範囲でシステムや機械に代替することも有効です。確実に人的ミスを抑えられるだけでなく、業務効率もアップする可能性が高まります。
ミスを防いで効率よく仕事が進めば業績にも繋がりますし、従業員の就労環境が向上すれば定着率にも影響すると考えられます。

フールプルーフの考えで安全な設計を行い、さらに不測の事態に備えたフェイルセーフも取り入れることで、従業員にとってより良い職場環境を整えましょう。

課題解決の考え方について、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2023年9月15日時点の内容となります。
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