ノーコードツールを活用してアプリを開発したい。そう思っても、何から手をつけたらいいのかわからないのが実情ではないでしょうか。どういったところに相談に行けば良いのか、また、どういう考え方でアプリ開発を進めていけば良いのか、中小企業診断士・ITコーディネータの大澤真介さんにお話を伺いました。

大澤 真介(おおざわ しんすけ)
合同会社オンザウェイ 代表社員 おおざわ中小企業診断士事務所 代表
中小企業診断士・ITコーディネータ
リユース業界で約20年の実務経験(店舗運営・マネジメント・経営企画室長・経理)を経て、2018年に独立。現在は中小企業診断士・ITコーディネータとして、経営とITの両面から中小企業のDX推進を支援している。
ノーコードツール活用の具体例
ノーコードツールは、身近で「泥臭い」課題ほど威力を発揮します。例えば、紙の伝票で運用し、それをExcelに転記していた金属加工メーカーでは、ノーコードツールを活用することで、製造現場が入力したデータがリアルタイムで発注部門など全社に共有されるようになりました。従来は、取引先から「いつ頃納品できますか」と問われても、リアルタイムのデータが把握できていなかったため、本当なら2週間で納品できそうなところを、サバを読んで3週間と答える、というような非効率なことをやらざるを得なかったのですが、納期予測の精度が上がりました。
また、紙の伝票をExcelに転記すると、どうしてもミスが発生します。アプリで自動化することで、こうした間違いも減らすことができました。
下図は、中小企業がノーコードツールによるアプリ開発に挑戦するためのロードマップ例です。

最初から大きく考えず、まずは「この現場のこの作業を効率化しよう」とピンポイントで対象を絞り込み、4週間で小さな成功体験を積むことが成功の秘訣です。
ツールと相談先の選び方
ノーコードツール選びに迷ったら、まずは「Google AppSheet」などの無料で試せるものから始めるのがおすすめです。Googleアカウントがあればすぐに始められます。より手厚いサポートや日本語での使いやすさを求めるなら、有償ツールも有力な選択肢となります。多くの有償ツールは1ヶ月程度、無料で使える期間がありますので気軽に試すことができます。
いくら簡単にアプリを作ることができるといっても、やはり最初はどこから始めたら良いのか、不安になると思います。その場合、ITやDXについて幅広い質問に対応してくれる無料サポートを提供している公的機関を活用してはいかがでしょうか?
例えば、中小企業基盤整備機構(中小機構)は「IT経営サポートセンター」で、専門家によるオンライン無料相談を何度でも受けられます。商工会議所や、全国にあるよろず支援拠点にも専門家のサポートを受けられる制度や窓口があります。こうした無料の公的サポートを受けながら、少しずつ取り組んでみることをおすすめします。
ノーコードツールの限界、それでもおすすめな理由
ノーコードツールを活用しても、作業を完全に自動化できて、かかる時間が「ゼロ」になるという夢のような状況にはなりません。しかし、今まで「10」かかっていた時間を「4」や「5」に減らすことは十分に可能です。大してコストと労力をかけずに作成したアプリで、このような効率化の果実が得られるのですから、挑戦する価値は大いにあります。
近年は、生成AIの台頭により、ノーコードの活用はさらに容易になっています。例えば、どの作業を効率化しようか、と悩んでいる場合は、ChatGPTに、「自社の業務内容のうち、ノーコードツールで効率化できるアイデアを3つ出して」と聞いてみて、さらに出てきたアイデアを壁打ちでブラッシュアップすれば、自社の課題を高い精度で特定することもできるでしょう。
すべての課題をノーコードツールで解決できるわけではありませんが、少しずつ現場の業務改善を進めていくことで、データの整備が進みますし、全社的な課題はどこにあるのか、そしてそれをどうしていきたいのか、ということが明確になっていきます。
将来、ノーコードでは不十分だから、ベンダーへ本格的なシステム開発を依頼しようとなった際には、ノーコードアプリ作成過程で得た知見は、最高の下地となります。DXに取り組みたいけれど、コストをかけられない、人材を割けないと悩んでいる場合は、ノーコードツールを活用して「小さく始める」ということを考えてみていただければと思います。
りそなBiz Actionではこれらの資料もご用意しております。ぜひご活用ください。

