経理が思う「ムダ経費」5選

経理部門で働く人を、毎月悩ませている会社の諸経費。会社運営にあたって必要なものは当然存在します。
経理の仕事のひとつとして経費の処理があり、また会社の資産が浪費されないよう管理する使命も帯びています。そのため「この経費、本当は必要ないのでは?」と強く疑問に思うことがあったり、申請の不備や遅延に不満を感じることも少なくはないはずです。
今回はそんな「経理が思うムダ経費」とその対策を、5つほどご紹介していきます。

経理が思うムダ経費 その1.
どこで購入?どう使っている?「消耗品」

消耗品の扱いひとつ取っても、最終的に積み上がるコストが膨れ上がるということがあります。たとえば消耗品の購入先として価格が高いところを使っている、もしくはその時点での最安値で購入する方針のため毎回購入先がバラバラで、取引先の新規申請がその都度上がってきて処理が増加……といったこともあるかもしれません。
こういった場合、購入価格を比較し、一定の割合もしくは一定の金額以内であれば、最安値の新規取引先ではなく、原則として、すでに取引のある購入先から選択するというルールを決め、処理の負担減を図るべきでしょう。
また、少し古くなったから、みんなが使える備品として用意したのに誰かが個人的に所有していて見当たらないから、といった理由で新規購入してしまうというケースも考えられます。物品管理を保管場所・数量含めて行うといったルールを定めるなどの対策をすることで、無駄な出費や廃棄を減らす取り組みにもつながります。
個々の額は小さくとも、積み上がると大きな出費としてランニングコストの中に隠れてしまう、消耗品関連の「ムダ経費」を見つけ出しましょう。

経理が思うムダ経費 その2.
現代社会でそんなに必要?「接待交際費」「出張経費」

新型コロナウイルスの流行前と比べて相手先を訪問して商談する機会は減っているものの、訪問が必要な場合もある方もいるでしょう。特にバイヤーなどの商品を直接見る必要がある職種ではなおさらのことですね。ここでかかる交通費、遠くへの出張ならば宿泊費が含まれることもありますが、費用と時間的制約で妥当な経費かどうかの精査が必要でしょう。
また、現場に行く必要がない商談についてはWEB会議システムなどを利用したリモートでの面談をおすすめします。移動の必要がなく、比較的手軽に開催することができるので、面談頻度が増えたり、また同行が難しい専門部署のスタッフ同席による質の高い面談を実現することもできるでしょう。
情報をやり取りする頻度が向上すれば、営業活動の量と質も上昇しますので、経費面での考えを抜きにしても推進を検討したいところです。

経理が思うムダ経費 その3.
経済的にも物理的にも重い「紙の書類」

領収書、見積書、請求書なども含めた取引書類全般ですが、保存期間が定められているものが多く、短いものは2年、長いものでは10年間の保存が義務付けられています。企業の規模が大きくなると当然、書類の量が増加し、保管・管理コストも同様に増加する、頭の痛い問題ではないでしょうか。
これについてはデータによる一元管理にシフトしてしまうのもひとつの手。保管・管理コストも減らせるうえ、2022年施行の電子帳簿保存法への対応にも合致します。
また、社内で使用する書類の印刷、たとえば会議資料などもデータ共有などでペーパーレス化を図ることで紙や印刷代などのコストも低く抑えられ、消費資源削減による環境負荷への取り組みとしても対外的にアピールできるものになるでしょう。

経理が思うムダ経費 その4.
意外な盲点「経費精算にかかる経費」

紙で申請された経費を処理する負担は、会社規模が大きくなるほど増大していきます。締日前後の経理部署は毎日遅くまで残業……といった光景も珍しくはありません。
書類のペーパーレス化・データ管理を導入するとともに、専門の経費精算システムを導入することで、負担は軽減され生産性も向上します。経費申請が簡易な手段に変わることで、経理部署だけでなく営業その他の部署の負担も減るでしょう。その分の時間と人手を本来すべき他の業務、営業であればお客さまへの営業の時間を増やせたり、他の業務に振り向けられるといった副次効果も得られるかもしれません。

経理が思うムダ経費 その5.
ちりも積もれば山となる「振込手数料」

少額の経費精算や小口で多数の払込など含め、金額の大小に関わらず、振込手数料は通年で見ればとても大きくなります。しかし、社内の取り組みだけで削減することは困難です。
主要取引先銀行に相談し、法人カードなどのサービスを積極的に利用しましょう。金融機関は取引先企業のための便利なサービスを各種取り揃えています。


こうして見てみると、目に見えて高くついているものの影に、隠れたコスト増の要因があることがよくわかります。大切な会社の資産がムダに使われていることに対して、苦々しく思っている経理担当も多いことでしょう。もしコストについての悩みを抱えているのでしたら、こうした「経理から見ればよくわかるムダ経費」を一度総ざらいしてみるのもいいかもしれません。
そのうえで今回挙げたような対策をとれるのであれば、ペーパーレス化はSDGs目標の12「つくる責任、つかう責任」、13「気候変動に具体的な対策を」、15「陸の豊かさも守ろう」に合致しますし、事務処理の負担が減ることは目標の8「働きがいも経済成長も」にもつながります。
コスト削減に加えて、SDGsの対応もできるとなれば、これは一考の余地があるのではないでしょうか。

法人決済ツールについて、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。

【該当するSDGs目標】

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2023年3月13日時点の内容となります。
上記記事は、将来的に更新される可能性がございます。
記事に関するお問い合わせは、お手数ですがメールにてご連絡をお願いいたします。