不動産レポート2025年春(関西版)

3か月に一度、マーケット情報や不動産に関する市況、最新のトピックスなどをお届けします。本記事は2025年春に発行された、関西向けの内容となります。

【Market REVIEW】2025年は淀屋橋エリアを中心に新規供給が予定

  • 大阪では昨年、梅田エリアを中心にオフィスビルの大量供給がありましたが、今年は淀屋橋エリアを中心に、2026年は心斎橋や本町でも新規供給が予定されています。一方、建築費の高騰を受けて2027年の竣工を予定していた大阪ガスビルディング西館の開発計画の延期が発表されるなど、開発コストの上昇による影響がみられています。なにわ筋線の開業も2031年に予定されており、現状では大きなテナントの動きはまだみられていませんが、地域の魅力向上に期待が高まります。
  • 京都で予定されている新規供給は少ないものの、神戸では三宮駅を中心に2028年以降開発が進む予定となっており、地価やオフィス賃料などの上昇も期待されます。
  • 大阪圏の地価公示では、商業地最高価格は前年と変わらずグランフロント大阪となりましたが、上昇率は+3.0%(2024年は+5.4%)と縮小しました。建築費への懸念から新規開発意欲に一服感が生じています。
大阪の主な再開発・不動産プロジェクト
(出所)各種公表資料より

世界経済成長率は大きく下方修正

  • アメリカの関税政策やそれに対する対抗措置などにより、経済の不確実性が今まで以上に高まる中で、IMFは2025年4月のレポートにおいては「参照予測」として指標を公表しました。それによると、25年の世界経済成長率は2.8%、26年は3.0%に減速するとしており、1月時点から25年は▲0.5ポイント、26年は▲0.3ポイントの下方修正がされています。また、日本の予測も引き下げられており、25・26年ともに0.6%の成長とされています。賃金の上昇により可処分所得が増加することで消費の回復が見込まれていましたが、関税の影響によりその効果が相殺される見込みとなっています。
主要国の経済成長率見通し
(出所)IMF(2025.4)

インバンドのけん引で宿泊者数は増加が継続

  • 訪日外国人旅行者数の増加にともない、国内の延べ宿泊者数も増加が継続しており、2025年2月では4,793万人泊(前年同月比+0.2%)となりました。インバンドによるけん引が大きく、宿泊料金の高騰などを受けて日本人宿泊者数は前年同月比でマイナスが継続しています。
  • 大阪府における延べ宿泊者数は、428万人泊(同+4.9%)となり、日本人宿泊者数は横ばい傾向となっています。2月時点の数値であるため、関西万博の影響を考慮すると、短期的には日本人宿泊者数も増加することが考えられます。
国内・大阪府の延べ宿泊者数
(出所)観光庁

マンション価格は上昇が継続

  • 東京カンテイによると、近畿圏の70㎡あたり中古マンションの平均価格は、2025年4月では3,100万円(前年同月比+9.0%)と上昇が継続しています。近畿圏でも都市部で価格の上昇傾向が強くなっており、大阪市では足元で同23.7%、さらに大阪中心6区では同35.7%と2024年初め以降、顕著な上昇となっています。
  • 不動産経済研究所によると、2024年度の近畿圏の新築分譲マンション平均価格は5年連続での上昇となりました。前期比+2.6%となる5,065万円で1991年度以来の高値となっています。契約率は15年連続の70%台となる74.6%で好調が継続しています。
近畿圏の中古マンション70平米価格
(出所)東京カンテイ

オフィス市況は好調が継続

  • 三幸エステートによると、大阪市の2025年4月の平均空室率は3.88%(前年同月比▲0.37ポイント)と改善傾向がみられます。大規模ビルでは新築ビル竣工の影響を受けて調査月によって上下はあるものの、総じてどの規模帯でも改善しています。好調な需要を背景とした自社ビルからの移転や増床などにより、二次空室もみられていません。
  • 引き続き建築費は高水準にあり、テナント企業からみても原状回復費用や移転先での内装工事費の上昇など移転コストが上昇するため今後の市況に影響を及ぼす可能性も考えられます。
大阪市の規模別オフィス空室率
(出所)三幸エステート

【Market TOPICS】関西圏の地価公示

(出所)国土交通省

(出所)国土交通省


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上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2025年7月4日時点の内容となります。
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