「新規システムの導入で効率化を狙ったはずが、思ったほど成果が出ていない」
「せっかく経費精算システムを導入したのに、定着しない部署が多い」
このようにシステム導入後に課題が発生するケース、実はよく聞く話でもあります。
便利になったはずなのに、どうしてこうなってしまうのか……システム導入後の失敗例と、改善のヒントについてお届けいたします。
システム導入後に起きやすい失敗例
決済などを楽にするために新規のシステムを導入したはずが、活用できず効率化に結びつかない。そんな失敗はどのようにして起こるのでしょうか。
まずは失敗の例を見てみましょう。
- 入力ルールが徹底されず、確認作業が増える
申請者ごとに入力方法が異なり、経理担当が内容を確認・修正する手間が発生します。 - 二重入力や二重管理が残り、余計な工数が発生
会計ソフトや銀行振込など複数システムに同じ情報を登録しなければならず、効率化どころか業務が煩雑に。 - 帳票の形式が統一されず、突合に時間がかかる
従来、部署ごとにフォーマットが異なる帳票を使用しており、これをデータベース形式などで統一せずにそのままシステムに移植してしまったケースで発生します。前述の二重管理・二重入力の発生原因のひとつでもあり、整合確認に時間を取られることがあります。 - ワークフローが形骸化し、結局「紙やメール」で承認が続く
新システムを導入しても、慣れた方法を優先してしまい、電子化が定着しないケースです。
これらは運用設計や周知体制の不備によって起こることが多く、作業ミスの原因にもなるものです。
とくに経理・財務部門では、会社全体の入出金など広範囲の数字を管理するため、部署の内外問わず関わる人数とプロセスが多くなりがちです。そのため入力や承認のルールが複雑になりやすく、従来のやり方から変更すると、「効率化どころか負担が増えた」と感じるケースも少なくありません。
なぜ活用できない状態に陥るのか?
便利なはずのシステムがうまく使われない背景には、組織としての課題が潜んでいます。実際に導入後の定着を妨げている主な要因を見てみましょう。
- 旧来の慣習にこだわる文化(今までこれでやっていたから、等)
これは、長年のやり方を変えることに抵抗があり、新システムが浸透しないことです。従来の手順や書式にこだわるあまり、導入効果を発揮できないケースがあります。 - ルールや教育・サポート体制の不足
部署ごとに使い方が異なり、全体として統一されたルールが整わないまま運用が始まることもあります。部署ごとに操作ルールや承認手順の認識がずれると、入力内容の齟齬により手戻りが発生しやすくなります。また、トラブルが発生しても相談先が分からず、現場が自己流で対応するうちに誤った使い方が定着してしまうこともあります。 - 従来の業務プロセスとシステムのミスマッチ
新しい仕組みに合わせず、旧来の業務フローをそのまま移行してしまうと、二重入力や帳票不統一といった非効率が生まれます。 - システム設計が現場ニーズと乖離している
導入前の要件定義で、実際の利用場面を十分に想定していなかったことが原因です。操作頻度や承認権限などが現場の実務と合わず、「使いにくい」と感じる要因になります。 - トップダウンの指示で導入が決まり、旗振り役がいない
現場の部下に導入を丸投げすることで起きがちです。「とりあえず任命された導入担当者」では、経営層やそれに近い責任者のように「導入後のビジョン」を持つことができないため、従来の業務をただデジタル化しただけのようなシステムを導入してしまう主因になってしまいます。また、部署間をまたぐような対応も難しくなってしまうでしょう。
導入検討から運用まで責任者が中心となって運用ルールや教育体制を見直し、全体の統一を図ること、そして組織が一丸となって対応することが求められます。
改善のステップ:責任者が主導して取り組むべきこと
課題を把握したら、次は具体的な改善策に落とし込む段階です。
ですが、システム導入前の旧来の業務慣習にこだわる文化を改善することは、経営トップに近い責任者の決断なくしては難しいのが実情です。旧来の慣習に反するような改善策を提案すること自体にブレーキがかかってしまうのです。
現場に丸投げではなく、責任者が部門全体を率いる立場として、「実現したいのは、どのような未来か」という方向性を行動とともに示すことで、システムの定着と具体的な業務の改善が実現に近づきます。
責任者が旗を振り、部門全体を巻き込んでいく姿勢こそ、業務変革を実現する最大の推進力となります。
次に、具体的な改善策の代表的なものを見ていきましょう。
- 使われていない機能や二重作業を洗い出す
どの機能が活用されていないのか、どの業務で手作業が残っているのかを確認し、現場の声を丁寧に拾い上げることで、改善の優先順位が見えてきます。 - 業務フローを標準化し、システム仕様に合わせて再設計する
旧来の慣習に合わせた形でシステムのカスタマイズを重ねるよりも、システムに合わせて業務を整える方が、長期的には安定した運用につながります。 - 研修やマニュアルを現場目線で刷新する
「経理が便利になる」だけでなく、「申請者が迷わない」設計を意識することで、利用者全体の定着率が高まります。 - 導入前に検討すべきだった仕様漏れや、運用中に発覚した課題を整理する
見落とされた機能不足や、実際に使ってみて感じた不便を放置せず、改善要件としてまとめておきましょう。こうした課題を体系的に共有することで、次回のアップデートや改修時に同じ問題を繰り返さずに済みます。
代表的なものだけでも、どれも「部門の横断」や「刷新」が必要なものばかりです。責任者が旗振り役になることは、これらを素早く進めることにもなるのです。
とはいえ、障害となる要因すべてを洗い出すのは容易ではありません。コスト・スピードを重視するならば、その道のプロによる外部サポートを活用するほうが良いケースも多々あり、ベンダーや社内の実装担当などシステム設計・実装に関わった者以外の、第三者の立場から助言を受けることで、客観的な改善策が得られることもあります。
実は、こういった困りごとは珍しくなく、頼れる相談先も多く存在します。例えばりそなグループでは、「りそなデジタルハブ」のようなDX分野全般に関わることのご相談先をご用意しています。
このような、外部との連携が関わる決断が素早くできるのも、責任者主導で行うメリットです。
システム導入はゴールではなくスタートです。
DXで真の業務効率化を実現するためには、責任者が業務を見直し、現場をリードすることが欠かせません。もしシステム活用でお悩みがある場合は、りそなグループでもご相談を承っております。
一緒に、システムを使いこなすフェーズへ進めていきましょう。
りそなBiz Actionではこれらの資料もご用意しております。ぜひご活用ください。

