「夜間にも動く」為替変動リスクに備えるには?

海外企業との取引では、為替相場の変動によって、仕入代金や売上代金が当初の想定から変わることがあります。近年は円安・円高が短期間で進む場面も多く、日本企業の営業時間外である夜間に相場が大きく動くケースも珍しくありません。
為替変動そのものを避けることはできませんが、あらかじめ対策を講じることで、企業経営への影響を抑えられる可能性があります。利益率や原価管理、資金計画を安定させるためには、為替リスクへの備えが重要です。

為替変動は利益率や資金計画に影響する経営リスク

近年の為替市場は大きく変動している

近年、ドル円相場は短期間で大きく変動する局面が続いています。2022年には約32年ぶりとなる1ドル=150円台の円安水準となり、以降もたびたび160円台まで円安が進行しています。こうした状況を受けた為替介入により、数円規模の変動が発生するなど、大きな値動きが繰り返されています。
また、為替市場は24時間近く取引が行われています。日本企業の営業が終わった後も、ロンドン市場やニューヨーク市場では取引が続いているため、翌朝には前日とは異なる為替水準になっていることも少なくありません。
このような急激な為替変動を正確に予測することは難しく、海外企業との取引を行う企業にとっては、常に意識しておきたい経営リスクの一つといえます。

わずかな為替変動でも経営への影響は小さくない

為替変動の影響は、輸出企業と輸入企業で異なります。輸入企業では円安が進むと仕入コストが増え、輸出企業では円高によって外貨建て売上の円換算額が減少する可能性があります。さらに、企業間取引では取引金額が大きいため、わずかな為替変動でも利益への影響は決して小さくありません。
例えば、100万ドルの取引では、ドル円相場が1円変動するだけで、売上額や支払額は100万円変わります。さらに、政府の為替介入などの要因があれば一晩で5円程度動くこともあり、その差額は500万円になります。
「たった1円」と感じる変動でも、取引金額が大きい企業ほど利益への影響は大きくなります。こうした為替変動は、原価管理だけでなく利益率や資金計画にも影響を及ぼすため、経営上のリスクとして捉えることが重要です。

為替リスクは事前に備えることが重要

為替相場は、各国の経済政策や金利差、地政学的要因など、さまざまな要因によって日々変動しています。そのため、将来の為替相場を正確に予測することは困難です。
海外企業との取引では、契約から決済までの間にも為替相場は変動します。そのため、変動してから対応しようとしても、利益や仕入コストなどに影響を受ける可能性があります。為替リスクを抑える方法(ヘッジ)を検討することで、利益率や原価の変動を抑え、安定した経営につなげることができるでしょう。
その代表的な方法に、「為替予約」があります。また、為替予約の一種として、事前に希望レートを設定する「リーブオーダー」という手法もあります。

為替リスクに備える代表的な方法

為替予約

為替予約とは、将来の取引に適用する為替レートをあらかじめ決めておく方法です。決済日より前に為替レートを確定しておくことで、その後の為替変動による影響を受けにくくなります。
支払額や受取額を事前に把握しやすくなるため、利益計画や原価管理を立てやすくなる点がメリットです。
なお、為替予約のご利用には所定の審査が必要です。

リーブオーダー

リーブオーダーとは、あらかじめ希望する為替レートを設定して注文する方法です。為替相場が指定したレートに達すると、自動で取引が行われます。
常に相場を確認しておく必要がないため、日々の業務を行いながら為替変動に備えられます。また、自社の取引方針に応じた為替リスク管理に活用できます。

自社に合った為替リスク管理を考えよう

為替リスクへの備え方は企業によって異なり、適した方法も変わります。例えば、輸出と輸入の割合や取引金額、決済までの期間に加え、どの程度の為替変動まで許容できるかといったリスクの考え方によっても、選択すべき方法は異なります。
そのため、自社の取引内容や経営方針に合った方法を選ぶことが重要です。為替予約には方法によってそれぞれ特徴があり、状況に応じて組み合わせて活用することも選択肢となります。
どのような方法が自社に適しているか判断に迷う場合は、金融機関へ相談しながら検討するとよいでしょう。

海外企業との取引では、為替変動によって仕入コストや売上金額が変わり、利益率や資金計画に影響を及ぼすことがあります。為替相場を正確に予測することは難しいため、事前に為替リスクへ備えることが重要です。
為替変動は避けられませんが、事前に備えることで経営への影響を抑えられます。自社に合った為替リスク管理の方法を検討し、安定した事業運営につなげていきましょう。
もし為替リスクへの備え方でお悩みの際には、りそな銀行でもご相談を受け付けております。お気軽にご相談ください。

りそなBiz Actionではこれらの資料もご用意しております。ぜひご活用ください。

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2026年10月16日時点の内容となります。
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