組織の若返りのために「今」すべきこと

社長にとって長く勤めてくれる従業員はうれしいもの。
しかし少子高齢化が進む日本においては、企業の中も高齢化が進んでいます。長い目で見ると組織の硬直化にはさまざまな弊害があるため、早めに手を打ちたいところです。

進む従業員の高齢化

総務省によると2004年から高齢者の就業者が増え続けており、2017年以降は70歳以上の層で増加しているそうです(※1)
また、人口密度が低い地域ほど全就業者に占める「60歳以上」の割合が高く、規模が小さい企業ほど55歳以上の従業員割合が高いといったデータもあり、中小企業(特に小規模事業者)が高齢者雇用に関する課題を抱えているようです。
つまり大都市や大企業以外では企業内の高齢化が進んでおり、なんらかの対策が必要になってくるといえるでしょう。

人口密度区分別に見た、就業者の年齢構成(※2)
従業者規模別に見た、従業者の年齢構成(※3)

高齢化が進むとどうなる?

組織の人員構成が変わらず高齢化が進んでいくと、中途退職や定年退職によって将来的に従業員がいなくなってしまうリスクがあるため、組織には新陳代謝が必要と言われます。
日本の人口構成的にも若い世代の絶対数が少ないことから、意識的に若年層を集めるような施策を打たなければ従業員の高齢化を止めることは難しいでしょう。
かといって、若い従業員を大量に採用すればいいという簡単な話でもありません。組織は一日では成らないため、若年層とベテラン層が共存していくような組織作りを意識し、根気よく続けることでしか若返りはできません。

例えば、同じ事業を同じメンバーで続けていると新しい発想が生まれにくくなり、二代目社長が新規事業を始めようとしても、古株の従業員が旧来のやり方や考え方にこだわって物事が進まない……といった場合があります。
そのような場合には新鮮なアイディアを出せる若年層に意見を求めて活性化を促し、事業の運用時にはベテラン層のスキルやノウハウを取り入れ、若手を成長させるような方法が考えられます。

ベテラン層の社会人経験・人生経験は人材育成には不可欠ですし、顧客との長年の関係性を維持することに長けている人もいるでしょう。双方の良さを活かすハイブリッドな組織が理想的です。

効果的な組織の若返り対策

組織の若返り対策には、現在の組織の見直しと、新たな人材の採用・登用の双方向からの方法があります。一つずつ見ていきましょう。

配置転換や部署の新設

配置転換や部署の新設により新しい風が吹くことで、社内の雰囲気も変わってきます。
役職もモチベーションの維持には欠かせません。長年同じ人が同じ役職についていると、「自分は一生上に上がれないのではないか?」とネガティブな考えになってしまう従業員もいるでしょう。「会社はずっと同じではない」と気付くだけでも、若年層のモチベーションは向上するものです。従業員の年代や役職を考慮した新陳代謝を促すような組織戦略が求められます。

若年層の新規採用

新卒・中途採用活動でも若返り対策は可能です。
この層はITやウェブに慣れ親しんでおり、インターネットを通じての転職活動が中心であるため、社長自らが情報発信を行ったりDX推進などの方針をアピールしたりすることで、若年層の採用確率を上げていくとよいでしょう。

外部人材の登用

外部人材の力を借りる方法もあります。正規雇用よりも気軽に試すことができ、コストも比較的かかりません。
最近では国によって副業が推奨されたり、働き方が多様になってきたこともあり、該当プロジェクトのみへの参加や経営部分への意見をもらうなど、専門分野だけ専門家に協力を仰ぐことといった方法も一つの手です。
さまざまな施策があるため、自社にマッチしそうなところから始めてみましょう。

組織はすぐに若返りできるものではありません。長年働いてくれている従業員を大切にしつつ、会社の未来を考えてみましょう。組織の若返り対策ができていない場合、「今からできることはないか?」と考えることから始めてみませんか?

(※1)総務省統計局 統計トピックス(令和3年9月19日発行)
「高齢就業者数は、17年連続で増加し、906万人と過去最多」

(※2)2020年版「小規模企業白書」 第2-3-13図
(※3)2020年版「小規模企業白書」 第2-3-16図
(※4)中小企業・小規模事業者における 中核人材確保ガイドブック

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2023年1月6日時点の内容となります。
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