長く続く会社にするために創業社長が今考えるべきこと

2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標、SDGsは環境問題がフォーカスされがちです。しかし課題とする分野は環境の他にも社会的分野、経済的分野にまで及び、この世界で誰ひとり取り残されることなく、地球上で安定して暮らし続けることができるよう、17の具体的な目標が設定されています。目標8では「働きがいも 経済成長も」として、あらゆる人のための経済成長や働きがいのある人間らしい仕事の推進が掲げられています。SDGsが提唱される以前から人々が抱えていた労働問題はSDGsでさらに注目されることになりました。持続可能・サステナビリティというSDGsの考え方を元に、会社を長く存続させるアイデアや人々の働き方について考えてみましょう。

会社を存続させるためのアイデア

会社を将来にわたって存続させるには、創業社長一人だけでは難しく、誰かに事業を承継していくことになるでしょう。100年続く会社にしたければ、何人にバトンを渡せばよいでしょうか?バトンを渡すのに最適な時期はあるのでしょうか?

中小企業庁の「中小企業白書(2013年版)」に、事業承継した後に業績がどう変化したかを事業承継時の年齢別に集計したデータ(※1)が掲載されています。事業承継後に業績が「良くなった」と回答したのは、現経営者が40歳未満で事業承継をした場合が最も多く59.5%です。40〜49歳、50〜59歳、60歳以上と年代が上がるごとに「良くなった」と回答した割合は減っています。

同じく「中小企業白書(2013年版)」では、事業承継のタイミングについての調査結果(※2)も掲載されています。事業承継のタイミングが、「ちょうど良い時期だった」と回答した現経営者の事業承継時の平均年齢は43.7歳です。

創業社長はがむしゃらに走り続ける必要があり、パワフルでエネルギッシュな方も多いかと思います。ですが、まだまだ走れる年齢のうちにバトンを渡す準備をいち早く始めることが会社の永続に対して良い結果を生むようです。

ただ、誰に引き継ぐかを悩んでいる創業社長も多いでしょう。中小企業の後継者には親族が多く見られますが、社内の役員や従業員にバトンを渡すこともできますし、親族や社内に適当な人材がいない場合は対象が社外にも広がります。

親族・社内で承継した時、そのステップは後継者の選定→同意を得る→育成・引き継ぎという順番になり、最後の育成・引き継ぎまで含めると数年単位で時間がかかることも珍しくありません。

まずは、事業承継をするにあたって何をしなければいけないかの整理から考えてみてはいかがでしょうか?

長時間労働から長期間労働へ

会社を長く存続させるためには経営者がバトンを渡すことと同様に、従業員に長く勤めてもらうことも大切です。あなたの会社が従業員に支持され、定着してもらうためにはどのような方法があるでしょうか?

2016年頃から政府によって「働き方改革」が推進されるようになりました。これは従業員の健康や安全を重視し、安心して働けるような労働環境を求めるものでした。さらに進んだ現在では「働きがい改革」として、従業員が働く意欲を持てることが重要視されています。労働力が減少している日本の先を考えると、「働きがい」を提供することで選ばれる会社になりたいところです。あなたの会社でもできそうな、具体的施策を考えてみましょう。

働きがいを構成するのは労働条件・労働環境・福利厚生といった待遇面、組織管理・評価制度・人材育成制度といった会社のシステムやコミュニケーション面に分けられます。具体的な施策としては、育児や介護などの事情があっても働きやすいような時短制度、就労意欲のある高齢者を受け入れるための定年延長や再雇用、テレワークを利用した遠隔地採用や障害者採用・ダイバーシティの取り組み、労働における男女差をなくすジェンダー平等などが挙げられます。また、近年では非正規労働者(パートタイマー、アルバイト、契約社員、嘱託社員等の非正規社員)の待遇改善を図るために法改正が進んでおり、同一労働同一賃金への対応なども求められています。これらの課題はSDGsとも重複する部分が多く、課題解決によるメリットは従業員だけでなく会社全体に広がります。働きがいが満たされた従業員によって生産性が上がり、業績も上がると、会社の持続性にもつながることとなるのです。先ほど挙げた施策の全てを取り入れることは難しいかもしれません。また、費用もかかりますが、国の助成金制度などを取り入れることも検討できるでしょう。

あなたの会社を持続的なものするためには、会社を次の世代に引き継ぐ意識が不可欠です。また、そこで働く従業員がやりがいを持ちながら、末長く働く事ができる環境を整えることも社長の責務です。自分の会社だけ良ければ、自分だけ良ければといった考え方ではなく、環境も経済も社会も回り回って自分に返ってくる、世界のさまざまな物事は循環しているという考え方が主流になってきています。人々が抱える雇用に関する課題はSDGsが掲げている課題とも重なっており、定着率を高めようとすることは社会貢献にもなるでしょう。

※1 中小企業庁 「中小企業白書(2013年版)」 (事業承継時の現経営者年齢別の事業承継後の業績推移)
※2 中小企業庁 「中小企業白書(2013年版)」 (事業承継時の現経営者年齢別の事業承継のタイミング)

SDGsについて、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。

【該当するSDGs目標】

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2022年7月8日時点の内容となります。
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