不動産鑑定評価はいつ必要? 経営判断に役立つ活用事例を紹介

会社で土地や建物などの不動産を保有していても、日々の経営の中で「今、どのくらいの価値があるのか」を意識する機会は、それほど多くないかもしれません。

しかし、M&Aや企業会計、事業承継など、経営上の重要な判断をするタイミングでは、保有する不動産の価値を客観的に把握する必要が生じることがあります。そんなときに活用できる方法の一つが「不動産鑑定評価」です。

今回は、不動産鑑定評価の基本と、実際に企業がどのような場面で活用しているのかを、りそなグループの事例とともに紹介します。

不動産鑑定評価とは?

不動産鑑定評価とは、不動産の価値を判定し、その結果を価額として示すものです。

不動産の価値は、土地や建物そのものだけで決まるわけではありません。立地や周辺環境、建物の状態、法令上の制限、市場の状況など、さまざまな要素を踏まえて評価されます。

こうして不動産の価値を客観的に把握することは、売却価格を検討するときだけでなく、経営上の判断材料を得たいときにも役立ちます。

では、具体的にどのような場面で活用できるのでしょうか。

こんな場面で不動産鑑定評価が役立つ

実際に不動産鑑定評価を活用した、2つの事例をご紹介します。

事例1:M&Aに伴う鑑定評価

M&Aによる企業買収を検討しており、りそなグループへご相談いただいたお客さまの事例です。

相手方の企業が所有する不動産について、現在、法令上の問題がないか、さらに将来的に建物を拡張できる余地があるかを確認したいと考えていました。

そこでりそなグループでは、不動産の価格を算出するだけでなく、不動産DD(デューデリジェンス)を実施。過去の使用状況や届出履歴、許認可関係の資料を収集・整理し、現在の状況と将来の拡張可能性を提示しました。

その結果、M&Aの実施前に、不動産の価値に加えて現在の状態や予想されるリスク、将来の活用可能性も把握でき、買収判断の材料となったことで、お客さまの前向きな意思決定に寄与しました。

事例2:企業会計を背景とした鑑定評価

固定資産の減損会計における兆候を把握するため、りそなグループへご相談いただいたお客さまの事例です。

お客さまの本社部門では、生産拠点となる不動産について、現在の価値や状況を確認したいと考えていました。そのため、価格だけでなく、生産拠点の増改築履歴など、不動産の実態を把握する必要がありました。

このケースでも、価格の算出に加えて、生産拠点の増改築履歴や法令への適合状況、周辺地域の動向などを調査。詳細なデータを提示するとともに、不動産の管理方法についてもご紹介しました。

これにより、現在の価値と帳簿上の価値を比較し減損の要否を判断する材料が得られただけでなく、不動産に関する情報が整理され、本社部門と生産現場との情報連携にも役立ちました。さらに、不動産の流動性を価格で示すことで、今後の不動産戦略を考える材料にもなっています。

不動産の価値を知ることは、経営判断にもつながる

2つの事例からも分かるように、不動産鑑定評価は、単に「この不動産はいくらか」を知るためだけのものではありません。

不動産の現状や課題を把握し、将来の活用可能性を考える。あるいは、保有・売却といった不動産戦略や、M&A、企業会計などの判断材料にする。鑑定評価や関連調査から得られる情報は、こうした経営上の検討にもつながります。

そのため事業承継や遊休資産の活用、資金調達、本社移転など、不動産の価値を把握する必要が生じるタイミングはさまざまです。

不動産を「売却するときに価格を調べるもの」とだけ捉えるのではなく、経営課題と結び付けて考えることで、見えてくる選択肢もあるのではないでしょうか。

りそなグループでは、不動産鑑定評価や時価調査サービスなどを提供しています。保有する不動産について気になることや、経営上の課題がある場合には、ぜひご相談ください。

りそなBiz Actionではこれらの資料もご用意しております。ぜひご活用ください。

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2026年11月6日時点の内容となります。
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